むさ日記(仮)

南河内から見たいものを見ています。興味あること以外は興味ありません。

大阪メトロ全線に1日で乗ってみた

さん、突然ですが大阪メトロをご存知でしょうか。恐らくこのブログを読む方で知らない方はいないと思いますが、大阪市+その周辺の市において地下鉄網を形成するいわゆる「大阪の地下鉄」です。この路線網の特徴はなんといっても、とにかく複雑に入り組んでいること。確かに東京ほどぐちゃぐちゃしてはいないものの、路線の場所を正確に理解していないと、迷ってしまいそうになりますね。

 かくいう僕は今年に入って大阪に引っ越してきたばかり、これまで東京に住んでいたので地下鉄にはかなり乗ってきましたが、とはいえ大阪の地下鉄網を理解できないというのが現状。ですから今回は、1日で大阪の地下鉄全てに乗車して頭に路線図を叩き込もう。というそれだけの旅です。

 

今回の基本的なルールはこれ

エンジョイエコカード(土日祝大人600円)を使用する

・地下鉄8路線+新交通(南港ポートタウン線)の全路線全区間に乗車する

・全ての路線においてメトロ車に乗車する(阪急・近鉄・北急車には乗車しない)

・他社路線・バス路線も必要に応じて利用可とする

 

 今回は乗り比べ、という側面もあるのでメトロ線内ではメトロ車縛りで行います(これに後々苦しめられるわけですが)、メトロに乗る、というのが目的なのに近鉄や阪急の車両に乗るのもアレですし。というわけで2月23日(木・祝)、最寄りの南大阪線某駅から河内長野経由でなかもずに向かい、旅をスタートすることとします。

 

御堂筋線 なかもず855→江坂940

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 本日1本目に乗車するのは御堂筋線、車両は21系21610Fでした。大阪メトロの主力であろう新20系、というのはいかにもといったところでしょうか。実は1本前でも間に合ってはいたのですが、こちらは北急車だったのでパス。

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 なかもず時点では割と座席に余裕がありましたがあびこ付近で既に席が埋まり、西田辺を出る頃には立ち客がかなり目立つようになります。天王寺で旅客の半数が降りその倍の人数が乗車、難波〜淀屋橋の各駅でも頻繁に入れ替わってゆきます。梅田でその客も大半が降り、淀川を渡ったのち新大阪を出る頃には再び空席が目立つようになります。

 御堂筋線としては江坂までですが、旅程の関係上そのまま北急線に乗車し千里中央に向かいます。この区間の北急運賃は140円、これでも値上げしたとはいえ安いですよ。比較対象が近鉄や南海になってしまうから、というのはあるのでしょうが。

 千里中央1006発の大阪モノレールで山田へ、山田から阪急千里線に乗車して淡路乗り換えで天六に向かいます。こちらも阪急車での運転でしたので、天神橋筋六丁目にて後続の電車に乗り換えることとします。

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 というかふと思ったのですが、京都線千里線ともに堺筋線方面より梅田方面の乗客の方が圧倒的に多いのですね。梅田という存在が大きいのはあるとは思いますが、代々木上原和光市のようにガクッと落ちる感じでなかったのは意外な気もします。

 

堺筋線 天神橋筋六丁目1105(定刻1100)→天下茶屋1125(定刻1117)

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 そんなこんなで天神橋筋六丁目に着いた瞬間トラブル発生。線路内人立入により、堺筋線が運転見合わせとなってしまいました。もっとも人を轢いたわけではないのですぐに運転再開しましたが、旅程の1/3も過ぎていないのに遅延というちょっと幸先悪いスタートです。

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 そんなわけで5分ほど遅れて天下茶屋行が到着。車両66系66608Fでした。というかこれ、北千里始発で先程山田から乗車した電車なんですよね。もう少しゆっくりしててもよかったやん、というのは後の祭りですが、実際何があるかわからないですしね。

 で、天下茶屋でトイレぐらい行くかーと思ったのですが、なんせ遅れてますからそんな暇もなく、慌ただしく折り返して発車していきました。ビバ・折り返し乗車。車掌さんには奇妙な目で見られましたが一日乗車券だからこそできる荒技ですね。

 動物園前に一駅戻りJR環状線に乗り大正へ。大和路快速はいつも通り(?)2分遅れていました。

 

長堀鶴見緑地線 大正1154→門真南1226

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 大正のいかにも平成初期に作りました感満載の通路を通り(何も間違ってない文章なのに違和感を感じるのは気のせい)、長堀鶴見緑地線のホームへ。車両は70系の7122F、ミニ地下鉄規格で作られていますから、印象としては大江戸線と同じような感じでしょうか。森ノ宮周辺で大きい音が出る箇所はありますが、心なしか大江戸線より静かなような気がします。気のせいですかね?

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 しかしこの路線、意外と本数はあるし西長堀〜心斎橋あたりでは日中でも座れないことがあるんですよね。小型4両を他線と比べるのは条件と違う気はしますが、かなり本数は多いので横方向の移動には使いやすいかなーと思ったり思わなかったり。

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 さて、終点の門真南に到着後は次の路線である中央線に乗るべく長田へと向かいます。ひとまず学研都市線・鴻池新田まで30分ほどかけて徒歩。ちょうど近畿道に隣接するこの地区では現在大阪モノレールの瓜生堂延伸に向けた準備がされており、既に一部区間では橋桁も立っていました。

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 そしてまた道路沿いのシンボルといえるのが「ブロッサム」こと三井アウトレットパーク大阪鶴見。特徴的な建物ではありますが、今年の3月に移転拡張のため閉館、旅行時は丁度閉店前の売り尽くしセール中でした。

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 そして鴻池新田から近鉄バス15系統に乗車。僕自身そこまでバスには詳しくないのですが、これはまあ、なんの変哲もないバスです。運行本数としては1~2時間に一本と言ったところでした。早い話今回の旅程で一番詰まった場所はここでして、それに合わせてなかもず発時刻も決まりました。

 

④中央線 長田1358→コスモスクエア1428

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 実は意外と本数少ない中央線。近鉄車を2本やり過ごしつつ長田駅前のなか卵で昼飯を取ったのち、1時間半ぶりに再開です。車両は昨年デビューしたばかりの新鋭30000A系32653F、この形式に乗るのは勿論初になります。

 こちらもやはり長田発車時には比較的空いていましたが、森ノ宮〜本町あたりが利用者の中心といった印象。海沿いに近づき乗降客数も減ってきたな、といったところで終点のコスモスクエアに到着します。

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 そして皆様ご存知の通り再来年の大阪万博に際しては中央線が夢洲(仮称)まで延伸されることとなっており、おそらくこの2番線から万博会場に向けて沢山の客を乗せた電車が発車していくことでしょう。

 

南港ポートタウン線 コスモスクエア1432→住之江公園1451

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 南港ポートタウン線、通称ニュートラム。車両は三代目車両の200系201-18F、たまたま席が空いていましたし、特に見たがってる子供もいなかったので、今回は最前席から景色を眺めることとします。

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 新交通にしては珍しい地下駅、住之江公園から一気に地上に上がり高架へ、中ふ頭までは大阪府咲洲庁舎をはじめとする超高層ビルに囲まれますが、そこから先は住宅地や工場、あるいは貯木場といった施設が立ち並ぶ場所を走ります。どちらかと言えば生活路線といった雰囲気ですね。

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 愛称に「ニュー」とついてはいるものの、流石に中ふ頭以南は開業から40年が経ち他の新交通と比べてもちょっと古めかなーという印象は感じました。愛称を変えろとは全くもって思いませんがこれは仕方ないことなんでしょうかね。

 

四つ橋線 住之江公園1501→西梅田1522

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 住之江公園でコンビニに寄ったのち旅を続行することとします。車両は23系23610F、朝に乗車した御堂筋線21系と同じ新20系のリニューアル車ですが、床材が青基調になっているのでだいぶ印象が変わります。個人的にはこっちの方が好きかな?といったところです。

 乗客は起点から終点まで変わらず少し立ち客がいるかな?程度。言うまでもなく御堂筋線の大運転より空いてますし、うまいこと活用したい路線だなぁと思ったり。もっとも、自分の住んでる場所的に結局御堂筋線に乗ることになってしまうのですが。

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 当初は阪神線での移動を考えていましたが、JR経由の方が安く特にダイヤも乱れて無さそうだったので北新地からJR東西線海老江へ。これもまあ地下鉄のようなもん、と言ってしまえばそうかもしれませんがこういうのを含みだしたらキリがないのもまた事実ですね。

 

千日前線 野田阪神1537→南巽1605

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 野田阪神、という特定の企業名に由来する駅名。いや最初に見た時は目を疑いましたが、変に新野田、なんかにするより全然分かりやすいのかなーと思いますが、やはり違和感のある名前。これもいつかは慣れてくるでしょう。もっとも、平成になって開業したJR東西線において直接競合しているライバル企業の宣伝をするのはよろしくなかったようで、こちらは海老江、という名前になったのは致し方ない気もします。

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 大阪メトロの中でも少し目立たない存在であろう千日前線、8両対応の立派な設備に4両編成がのんびり走る姿は少し悲しい気分にもなってしまいます。こちらもやはり新20系に統一されており、25系25616Fに乗車しました。

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 旅客流動としては西長堀あたりまでに座席が埋まりますが難波でその大半が下車、そして同じ人数が難波から乗車し、逆に今里あたりを境にガラガラになりました。

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 南巽到着後、すぐ折り返すかも考えましたが、ここで1本待って一旦地上に出て気分転換することとしました。まあ、特に何かあるわけでもない場所なんですがね、駅前にコンビニがありいかにも大都市近郊といった光景が広がります。これで1本逃しましたが、その次の野田阪神行に乗って今里へと向かいました。

 

今里筋線 今里1634→井高野1657

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 大赤字とか失敗とかあまり良い話を聞かない今里筋線、他8路線はなんらかの理由で数駅だけでも乗車したことがあるのに対し、かくいう私も今回が初乗車となるわけで、なんとなく印象の薄い路線だなぁという感じはあります。ただまあ乗ってみなくちゃ分からない、ということで乗ります。車両は80系8107Fでした。

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 今里を出た時点で車内には1両に10人乗るかどうか程度の乗車率、そして緑橋と蒲生四丁目でかなりの人数が乗車します。そして新森古市や清水で降車がありますが、谷町線からの接続を受ける太子橋今市から一気に多くの客が乗車し、立ち客も出るようになります。しかしその半数ほどは次のだいどう豊里にて下車。結局井高野まで乗車していたのは各車両5人前後といったところでした。

 これを多いと見るか少ないと見るかは各々の見解次第でしょう。確かに他の8路線に比べて乗車率が低いのは事実ですし、新交通システムである日暮里・舎人ライナーより利用者が少ないのもまた事実です。しかし、この人数をバスで運ぶには輸送力不足だよなぁというのも事実。もう10-20年遅ければBRTだかLRTだかというものになっていたかもしれませんがね。

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 井高野から大日への移動手段、これはいろいろ悩みましたが大阪モノレールの南摂津まで3kmほどでしたので歩くこととしました。いやまあ、地下鉄に乗った方が楽なのは百も承知です。だがしかし、既にこの時点で「これ以上地下鉄に乗ってたいか」と聞かれたら既にNOなわけで、少しでも地下鉄から離れて過ごそう、といった感じに頭が動くんですね。その結果40分弱歩くという選択に至りました。そうして本日2回目の大阪モノレール、こちらもまた1駅だけ乗車し大日にて下車しました。

 

谷町線 大日1747→八尾南1840

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 さあついにやってきました、最後の路線。しかしながらこの路線、大阪メトロで最長の距離を誇るんですね。ラストにして最大の難関がやってきました。所要時間53分、北急+御堂筋線よりは確かに短いですが、完全に耐久レースと化した今、鬼門として谷町線がのしかかってるというわけです。車両はまたまた新20系列の22系22663F、旧OTS車でした。

 混雑だとしては関目高殿ぐらいまでに座席が全て埋まる程度、天神橋筋六丁目で1/3ぐらいが入れ替わり、東梅田でも4割方が入れ替わりました。やはり東梅田〜天王寺間では立ち客が出るほどの混雑でしたが、やはり御多分に漏れず天王寺を出ると少しずつ降りて行く感じで、駒川中野ぐらいを境に空席が目立つようにもなります。

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 さて、いよいよここでこの旅のラスト・八尾南に着きます。なかもずを出て9時間45分、ひたすら大阪メトロに乗り続けた1日もついに終わりを迎えることとなります。八尾南限定の到着メロディ・河内音頭が鳴り響く中すっかり暗くなった地上のホームに到着し、これにて137.8km全線完乗しました。

 

おわりに

 結論から申し上げますけど、こんな休日はもう二度と過ごしたくありません。確かに距離的には青春18で静岡耐久する方が長いですし、大阪市+その周辺の市にいるだけなので楽なような気がしてしまいます。しかし、見える景色はひたすらトンネルの外壁のみ。それに1,2分毎になんの変化もない駅に停車し続ける、これを1日続けていれば流石に人間飽きます。自分でも何をやってるのか途中から分からなくなってきました。

 ちなみにですが、天下茶屋新今宮で南海、南巽→今里で大阪シティバスに乗れば全路線に1回だけ乗る、みたいな荒技も可能です。これをされた方は他にもたくさんいますから、気になる方はググってみても良いのではないでしょうか。

 まあ、こんな馬鹿なことを行動に移すことは推奨しませんが、どうしてもやりたいって方にルートの一例として参考になればなー、とも思います。何事も人生は経験あるのみです。