むさ日記(仮)

南河内から見たいものを見ています。興味あること以外は興味ありません。

大阪の電波塔、知ってますか?

 みなさん唐突ですが

テレビ、見てますか?

いやまあ「最近はあんま見てないな〜」という方も少なくないと思います。若者のテレビ離れなんてのは今に始まったものではないですし、もっともこのブログもインターネットを通して公開していますし、これを読まれている時点で恐らくテレビからは目を離していることでしょう。

 しかしまあ、テレビを見たことがない!という方は恐らくいないのではないでしょうか。もしいれば今回の話にはついていけないと思います。ご容赦ください。幼い頃に見た教育テレビの番組、あるいはフジテレビのバラエティなんかの思い出が強い方も少なくはないと思います。今日はそんなテレビに関するお話。

 

 皆様ご存知の通り、NHK総合だとか日本テレビとか、所謂地上波放送と呼ばれているテレビ局は、送信所と呼ばれる塔から極超短波の電波を飛ばして各々の家庭に番組を届ける形で放送されています。東京を中心とする関東広域圏の場合、高さ634mの東京スカイツリーがそれを担っていることはここで敢えて説明する必要もないでしょう。

 では我が国で東京に次ぐ第2位、世界でも有数の大都市であろう大阪周辺の地上波テレビはどこから送信されているのでしょうか。正解は、というと大阪と奈良の県境にある生駒山。大阪近郊のテレビを送信していると言うのに、修学旅行のルートにも入れられるスカイツリーと比べると明らかに知名度は劣っており、観光地として名前が挙げられることも少ないこの山から送信されています。これ、大阪在住の方でも知らない方は一定数いるような気もしますね。

 まあとにかく、私自身も大阪に引っ越して1年、確かに子供の頃よりは減ったとはいえ暇つぶしにテレビは視聴していると言うのに、この生駒山には行ったことがない!というのは流石に見る資格がないのでは?と今回ふと思い立ったわけです。北九州親局は行ったのに大阪親局を知らないでどうする!という謎の使命感を片手に、ある日突然生駒山へと向かうことを決意するのでありました。

(参考:前回のあらすじってほどでもない前回のブログ)

musata.hatenablog.jp

 

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 と、いうわけで南大阪線沿線からはイマイチ行きにくい生駒まで道明寺・柏原・王寺経由で乗り継ぎ、生駒駅からもケーブルカーを乗り継いで2時間相変わらず接続は悪かった生駒山上駅へと到着しました。今回旅行した時はちょうどリニューアル工事の真っ最中、既に新しい看板が付けられ準備は大詰めとなっていました。

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 生駒山の頂上付近は近鉄グループの運営する「生駒山上遊園地」となっており、隣接する「PLAY PEAK ITADAKI」とともに近鉄電車の中吊りではおなじみの施設となっています。しかしこの時期は冬季休園中。関係者の方が作業はされていましたが、当然閑散としていました。それにしても頂上なのは変わりがない、大阪平野奈良盆地の両方の景色を見ることができました。

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 で、その中を歩いていると唐突に現れるのがこの一角。遊具のすぐ隣にある彼ら、飛行塔は別に園内にありますがこの形の建造物はもちろん遊具ではありません。その正体は、、というとここまで散々書いてきましたが在阪テレビ局の大阪親局がこの生駒山上遊園地の園内に設置されています。標高642mの山の上にある程度の高さの塔が建てられていますから、スカイツリーよりも高いところから飛ばしていることになりますね。

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 まず一番手前にあるのが讀賣テレビ(ytv)と毎日放送(MBS)のテレビ送信所、かつてはytvのみがここから送信されていたようですが、デジタル化に際しこの塔からMBSも送信されるようになったとのこと。

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 その隣にあるのが朝日放送(ABC)、テレビ放送とワイドFMのラジオ放送をここから送信しています。ちなみにAMラジオは高石市の高石送信所から送信されているとのこと。レトロな表札の社章は現役のものなんだとか。

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 こちらは関西テレビ(KTV)、略称の「カンテレ」の方が定着しているでしょうか。こちらはデジタルテレビ放送のみを送信しています。

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 こちらはNTT西日本の無線中継所、テレビを送信している以上電波の届きやすいところですから、このようにテレビ以外のアンテナもいくつか設置されています、

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 こちらがMBSラジオラジオ大阪(OBC)のワイドFMの送信所、かつてはこの塔からMBSのテレビも放送されていました。

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 少し離れたところにあるのがNHK、総合テレビと教育テレビ(Eテレ)の設備を共用しているとのこと。

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 と、見ての通りたくさんの電波塔が並んでいるわけなんですが、ここ生駒山は大阪と奈良の県境。この道一本隔てて大阪府東大阪市奈良県生駒市が分けられているというわけです。電波塔はその両側に建てられており、ytvとABCの送信所が奈良側、それ以外が大阪側となっています。ここからは、奈良側・大阪側両方を少し降りて中腹に建てられている送信所を見に行くことにしましょう。

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 まずは奈良側、道自体はあるのですがあまり整備されていないような場所を降りていきます。2回ほど滑って転倒したのは秘密

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 10分ほど降りると現れました。こちらが奈良テレビ(TVN)の送信所、文字通り奈良県内のみをサービスエリアとしている為、大阪側に電波の届かない奈良側の中腹に親局が建てられています。

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 こちらはNHK総合NHK-FMの生駒奈良北中継局、NHKの両局は奈良県内で県域放送を行なっている為、この場所から放送が行われています。ちなみに奈良親局は大和郡山市斑鳩町に跨る松尾山に設置されていますが、教育テレビは同局からの送信が行われていない為、この中継局からの電波を受信する局が多いのだとか。

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 さて、一度頂上に戻って今度は大阪側に降りてみることにしましょう。それにしても見晴らしが良い生駒山の山頂、この日は天気が良かったので大阪市内は勿論、北摂山系の山々まで見ることができました。ちなみに奥に見えるのはFM COCOLOの送信所です。

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 そして次は大阪側に降りてみることとします、こちらはハイキングコースとしてある程度整備されており、途中で人とすれ違うことも度々ありました。

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 30分ほど降りたところにようやくありました、大阪唯一の府域局テレビ大阪(TVO)の送信所です。こちらはTVNの逆、大阪府側のみを視聴エリアとしている為この場所に設置されています。地形の都合こうなったのでしょうが、ここまで見てきた局の中で一番立派な作りになっています。

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 実際のところこちら側に降りてきたのはTVOの送信所を見る為だったのですが、このまま降りれば額田駅まで行けるんじゃね!?という軽いノリでそのまま下に降りることにしました。送信所も見れるし日々の運動不足解消にもなる、これぞ一石二鳥!と言ったところでしょうか。この言葉はこういうところに使うのです。

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 ちなみに中腹からの眺めはこんな感じ、奥にあべのハルカスも見えますね。

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 さて、麓に降りてきました。こちらが枚岡公園、木々が生い茂る自然豊かな公園とでも言いましょうか。

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 5分ほど歩いてきたところがこの旅のゴール、近鉄奈良線の額田駅です。ここまで距離にして4キロほど、標高にして570mぐらいを降りてきました。所要時間は2時間弱と言ったところでしょうか。ここまで来れば10分に1本電車がやってきますから大阪市内まで一本で帰ることができます。ちっちゃくて可愛いこの駅、奈良線で一番乗降客数は少ないようですが、一気に都会に出てきたような気分になってしまいますね。

 

 さて、まあここまで在阪局(+TVN)の電波塔を見てきたわけですが、ハッキリ言って疲れました。テレビなんてものは家でコタツに入りながらぼーっと見るのが1番であり、送信所までわざわざ行くなんてことはする必要は普通ありません。

 しかし、日々の放送を維持するために山の上まで向かい、作業をしている技術者の方々のことを考えれば、テレビの番組を見れるありがたみも少なからず分かるのではないでしょうか。それを体感することができる旅だったと感じますね。皆様も運動がてら"放送の現場"である生駒山を歩いてみるのも、案外悪くないのではないでしょうか。ちなみに慣れないような歩き方をしたので翌日筋肉痛でベットから起き上がれませんでしたとさ。バイトに行く途中に阿部野橋駅の階段で疲れてどうするよわたし。

ぼっち・ざ・やけいでーと!

 突然ですが皆さん、夜景デートというものをされたことはあるでしょうか。僕はないです。まあ語感から察するに、多分夜景を見に行くデートっていうことで間違っていないでしょう。違ってたら教えてください。

 実際この夜景が見られる「夜景スポット」というのはそこそこ需要があるらしく、そんなものをまとめたサイトは山ほど出てきますし「日本の夜景100選」なんてものまであります。それだけ定番化されている夜景デート、まあ恐らく彼女と言ったら楽しいに違いない!というのは想像に難しくありませんね。というわけで今回の旅はというと

将来彼女ができる予定(時期未定)の男子大学生が今のうちに夜景デートの下見に行こう!!!

そんな話なわけです。場所は北九州の皿倉山、早速博多から区間快速で1時間、鹿児島本線八幡駅に向かうこととします。

ここまでの文章は九州旅行中に所謂乗り鉄である私が皿倉山ケーブルを乗り潰すにあたって、八幡駅から皿倉山への無料バスが冬季17時以降しか走っていないことに対し後付けの言い訳を考えたに過ぎません。正直なことを言えばここまでの文章に特に意味などない、というのは公然の秘密にしておきます。

 

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 というわけでこちらが八幡駅。製鉄所の名で全国に知られるこの街の玄関口とあってか、なかなかご立派なモノをお持ちです。この駅の前から無料のシャトルバスに乗り込み、向かうこととします。

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 バスに乗車し10分ほどで山麓駅に到着。メインルートは小倉駅からのバスor自家用車らしく、八幡からの乗客はわたし1人でした。

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 ちなみにこの日の気温、氷点下3度。旅行日(2023年12月22日)は福岡市内でも雪が降るような寒い日でしたので、ハッキリ言いますがとてつもなく寒かったです。大阪が寒いから九州に行こう!という僕の考えが間違っていたことをここで思い知らされたのは言うまでもなし。(後日談:正月明けこの話を福岡出身の友人にしたら呆れられました。思えば福岡って日本海側なのでそこまで暖かくはないんですよね、自業自得とはまさにこのことです。)

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 というわけでケーブルカーに乗り山を登っていきます。乗客は15人ほどだったでしょうか。やはり目立つのはカップルの姿、明らかに男一人で行く観光地ではなかったことは火を見るよりも明らかです。ちなみに福岡、地理的に韓国も近いので韓国人の方も多く見かけました。

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 ともかく、高低差440mを6分間かけて登っていきます。2001年に新造されたという比較的新しめのこの車両、駅停車中に充電する蓄電池式を採用しているため架線がなく、遮られることのない見晴らしを見ることができます。

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 で、山上駅からはスロープカーに乗車し山頂を目指していきます。無茶苦茶寒い。

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 で、着きました。こちらが山頂です。

はい、まあ感想としてはとても綺麗です。

標高622mの頂上から眺める北九州の景色、いやまあ男一人で見るのも確かに感動もんですが、確かに女の子と見ればその感動も倍増するのでしょう。しかしこの日は氷点下、とてつもなく寒い日にわざわざ寒い山の上なんか連れて行ったら嫌われるのかもしれません。まあ彼女いないんで知らんけど。

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 この訪問の直前に雪が降っていたこともあり、頂上付近はスキー場のような見た目の傾斜が広がっていました。ちなみに皿倉山では昭和26年にスキー大会が行われた記録が存在しているほか、実際にここを滑った方の映像も現在に至るまで残されています。


www.youtube.com

(引用元: KBC九州朝日放送YouTubeチャンネル)

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 そして忘れてはならないのがこれ。この皿倉山にはNHK九州放送局の親局があり、北九州・筑豊地区に向けてNHK総合NHK-FMの地域向けの放送が行われています。東京で言うスカイツリーの役割を北九州では皿倉山が担っているのか、、と寒い中眺めていた私。いや寒いんで3分ぐらいで屋内に入りましたけど。

 

 しかしその瞬間、大阪府民でもある私はあることをふと思い立ったわけです。

大阪のテレビ送信所、見たことないのおかしくない?

しかも調べるとケーブルカーで簡単に行けるらしい。これは行くしかない!ということで1ヶ月半後、生駒山に向かうのでした。

(つづきのおはなし)

musata.hatenablog.jp

 

 

p.s. 夜景デートの下見をしたのはいいですが、そもそも私は大阪府民なので北九州で下見をするのはよく考えなくてもあまり意味がありませんでした。大阪だとあべのハルカスあたりが多分丁度良いと思います。このブログはノリと勢いで書いたのでここまで意味は一切ありません、もちろんこのタイトルにも。

石清水を詣でけり

南河内にある大学生、石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただ一人京阪電車より詣でけり。

極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て…

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!?

 

 はい。茶番にお付き合いいただきありがとうございます。「徒然草」第52段より『仁和寺にある法師』、高校古文の教科書の定番と言ったところでしょうか。仁和寺の法師が石清水に行こう!と思い立ったものの、案内人がいなかったが故、麓だけを見て満足して帰ってしまった、みたいなお話ですね。詳しくはネットで調べても沢山出てくるので今回は割愛します。

 

 というわけで、最寄りの南大阪線某駅から阿部野橋と鶴橋で乗り換え1時間半ほど、京都府八幡市石清水八幡宮駅にやって参りました。接続が悪くて京橋で14分も足止め喰らいましたが

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 駅から石清水八幡宮の一の鳥居までは歩いて5分ほど、鳥居を潜ると真っ先に現れるのが極楽寺の跡地です。極楽寺自体は戊辰戦争鳥羽・伏見の戦いで焼失された後再建されなかったとのこと。現在は「頓宮」と呼ばれる社殿がこの地に建てられています。屈強な軀 その貫禄仁王の如し

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 そしてその隣にあるのが高良神社です。こじんまりとした見た目。

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 この2つ、場所はともかく高校の教科書にある以上全国の高校生が存在を知ることになると思うのですが、実際のところ巨大な鳥居から山に登り始める入口に向かう場所にありますし、ご丁寧に看板がいくつも設置されていますから、ここだけを石清水だと勘違いして帰られる方はまずいないでしょう。この法師もちゃんと看板を見れば分かったでしょうに

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 そこからはとにかく山登りです。件の法師さんは

そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん

なんてことを言っておられましたが、この文明が発達した令和の時代に歩いて登る人はそう多くないようで、参道を歩く人はそこまで多くないようでした。とはいえ道幅は広く、案内の看板はいくつも立っていますから、道に迷うことなく登ることはできます。実際のところこの種の道の中では比較的歩きやすい方かと思いますね。

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 30分ほど歩くと山上まで辿り着きました。もっとも、今の主流のルートは山上の駐車場まで車で登るルートのようで、駐車場には車がたくさん止まっていました。京都からわざわざ歩いて来るぐらいなら最初から車で来るのが一番効率良いのでは?もっとも、日々の運動不足がたたり私はここまで登り切るだけで疲れているのですから、わざわざ往復徒歩で来たお坊さんを煽れる立場にはないかもしれませんが。

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 そして本殿に参拝。その後に御朱印をいただき、少し周辺を散歩した後に帰路につくこととします。帰りは疲れたのでケーブルカーに乗車。正式名称は「京阪鋼索線」と言うようですが、案内上は「石清水八幡宮参道ケーブル」の通称で呼ばれることが多いようです。週末のこの時間は15分間隔で運行されるとのことで、リニューアルされた綺麗な客車が往復しています。

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 というわけで山上の「ケーブル八幡宮山上駅」から乗車。全長411m、最大206‰はケーブルカーとしてはかなり全国的にも短い部類ですが、車窓からは京都の景色も一望でき、眺めの良さは感じられますが如何せん所要時間は約3分、あっという間に山麓の「ケーブル八幡宮口駅」に到着しました。ここは京阪本線石清水八幡宮駅のすぐ隣、7分ほどの接続で淀屋橋行の準急に接続し、帰宅することができました。所謂「乗り鉄」であり全国のケーブルカーがある山を登り歩いている私が言うのもアレですが、あっという間に着いてしまうので少し素気ないような感じさえします。片道だけでも歩いてみるのは面白いですよ。

 

 さて、ここまで半ばふざけて書きましたが、この「徒然草」の一節はこう締めくくられています。

少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。

 すなわち、何事にも案内人がいてほしいものであるということ。要はこれが話の教訓となっているわけです。この仁和寺の法師には案内する人がいなかったことから、山の上が石清水だと分からなかった。これは石清水に限ったことではなく、我々人間の日常生活においても、自分一人で考え込み勝手を知らずに行動するのではなく、積極的に知っている人に聞いていきなさい、ということは一つの教訓として持っておくべきではないでしょうか。

 もっとも、今回私は現代の石清水に1人で参拝しましたが、特に迷うようなこともなく山上でお参りをすることができました。それは特に案内役を雇ったからではなく、多数の案内看板が設置されている上、事前にインターネットで下調べもできましたから、無数の顔も名前も知らない「先達」の皆様のおかげと言えるでしょう。そして麓までは京阪電車、山の上まではケーブルカーが建設され、わざわざ長々と歩かなくてもお参りすることができます。さらには2019年に麓の八幡市駅は「石清水八幡宮駅」と改称されましたし、参拝の難易度は年々下がり、分かりやすさは増して来ていると言えるでしょう。

 14世紀に「徒然草」が記されてから700年。高校の古文は必要ない!という意見も少なからずあるようですが、このような過去の教訓を現在に伝えていくこと、これも21世紀を生きる我々に与えられた使命なのかもしれませんね。古文で赤点取りかけた人に言えたことではない

 

とまあいい感じに終わらせようと思ったのですが、ケーブルカーの車内で流れていた観光案内のテーマがこの「仁和寺にある法師」のエピソードでした。

煽ってるんかこれ、いやまあ帰りに麓もぜひ見てから帰ってください!という意味なのはわかりますが。とはいえ21世紀においても教科書に載り、ケーブルカーの放送にまで語り継がれ続けることとなった仁和寺の法師は、ある意味では幸せ者なのかもしれませんね。

 

(おまけ)

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 山上の駐車場にあるエジソン記念碑。どうやらあの発明家・エジソンが電球を製造した際、この八幡の竹を使ったことを記念して作られたものだとか。そして現代、この記念碑の目の前に電気自動車の充電器が堂々と設置されているわけです。もっとも、エジソンがいなければ確かに電気自動車も発明されていなかったかもしれません。ここに充電器を置こう!と最初に言い始めた方には座布団2枚ぐらい差し上げたいところですね。

大阪メトロ全線に1日で乗ってみた

さん、突然ですが大阪メトロをご存知でしょうか。恐らくこのブログを読む方で知らない方はいないと思いますが、大阪市+その周辺の市において地下鉄網を形成するいわゆる「大阪の地下鉄」です。この路線網の特徴はなんといっても、とにかく複雑に入り組んでいること。確かに東京ほどぐちゃぐちゃしてはいないものの、路線の場所を正確に理解していないと、迷ってしまいそうになりますね。

 かくいう僕は今年に入って大阪に引っ越してきたばかり、これまで東京に住んでいたので地下鉄にはかなり乗ってきましたが、とはいえ大阪の地下鉄網を理解できないというのが現状。ですから今回は、1日で大阪の地下鉄全てに乗車して頭に路線図を叩き込もう。というそれだけの旅です。

 

今回の基本的なルールはこれ

エンジョイエコカード(土日祝大人600円)を使用する

・地下鉄8路線+新交通(南港ポートタウン線)の全路線全区間に乗車する

・全ての路線においてメトロ車に乗車する(阪急・近鉄・北急車には乗車しない)

・他社路線・バス路線も必要に応じて利用可とする

 

 今回は乗り比べ、という側面もあるのでメトロ線内ではメトロ車縛りで行います(これに後々苦しめられるわけですが)、メトロに乗る、というのが目的なのに近鉄や阪急の車両に乗るのもアレですし。というわけで2月23日(木・祝)、最寄りの南大阪線某駅から河内長野経由でなかもずに向かい、旅をスタートすることとします。

 

御堂筋線 なかもず855→江坂940

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 本日1本目に乗車するのは御堂筋線、車両は21系21610Fでした。大阪メトロの主力であろう新20系、というのはいかにもといったところでしょうか。実は1本前でも間に合ってはいたのですが、こちらは北急車だったのでパス。

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 なかもず時点では割と座席に余裕がありましたがあびこ付近で既に席が埋まり、西田辺を出る頃には立ち客がかなり目立つようになります。天王寺で旅客の半数が降りその倍の人数が乗車、難波〜淀屋橋の各駅でも頻繁に入れ替わってゆきます。梅田でその客も大半が降り、淀川を渡ったのち新大阪を出る頃には再び空席が目立つようになります。

 御堂筋線としては江坂までですが、旅程の関係上そのまま北急線に乗車し千里中央に向かいます。この区間の北急運賃は140円、これでも値上げしたとはいえ安いですよ。比較対象が近鉄や南海になってしまうから、というのはあるのでしょうが。

 千里中央1006発の大阪モノレールで山田へ、山田から阪急千里線に乗車して淡路乗り換えで天六に向かいます。こちらも阪急車での運転でしたので、天神橋筋六丁目にて後続の電車に乗り換えることとします。

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 というかふと思ったのですが、京都線千里線ともに堺筋線方面より梅田方面の乗客の方が圧倒的に多いのですね。梅田という存在が大きいのはあるとは思いますが、代々木上原和光市のようにガクッと落ちる感じでなかったのは意外な気もします。

 

堺筋線 天神橋筋六丁目1105(定刻1100)→天下茶屋1125(定刻1117)

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 そんなこんなで天神橋筋六丁目に着いた瞬間トラブル発生。線路内人立入により、堺筋線が運転見合わせとなってしまいました。もっとも人を轢いたわけではないのですぐに運転再開しましたが、旅程の1/3も過ぎていないのに遅延というちょっと幸先悪いスタートです。

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 そんなわけで5分ほど遅れて天下茶屋行が到着。車両66系66608Fでした。というかこれ、北千里始発で先程山田から乗車した電車なんですよね。もう少しゆっくりしててもよかったやん、というのは後の祭りですが、実際何があるかわからないですしね。

 で、天下茶屋でトイレぐらい行くかーと思ったのですが、なんせ遅れてますからそんな暇もなく、慌ただしく折り返して発車していきました。ビバ・折り返し乗車。車掌さんには奇妙な目で見られましたが一日乗車券だからこそできる荒技ですね。

 動物園前に一駅戻りJR環状線に乗り大正へ。大和路快速はいつも通り(?)2分遅れていました。

 

長堀鶴見緑地線 大正1154→門真南1226

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 大正のいかにも平成初期に作りました感満載の通路を通り(何も間違ってない文章なのに違和感を感じるのは気のせい)、長堀鶴見緑地線のホームへ。車両は70系の7122F、ミニ地下鉄規格で作られていますから、印象としては大江戸線と同じような感じでしょうか。森ノ宮周辺で大きい音が出る箇所はありますが、心なしか大江戸線より静かなような気がします。気のせいですかね?

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 しかしこの路線、意外と本数はあるし西長堀〜心斎橋あたりでは日中でも座れないことがあるんですよね。小型4両を他線と比べるのは条件と違う気はしますが、かなり本数は多いので横方向の移動には使いやすいかなーと思ったり思わなかったり。

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 さて、終点の門真南に到着後は次の路線である中央線に乗るべく長田へと向かいます。ひとまず学研都市線・鴻池新田まで30分ほどかけて徒歩。ちょうど近畿道に隣接するこの地区では現在大阪モノレールの瓜生堂延伸に向けた準備がされており、既に一部区間では橋桁も立っていました。

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 そしてまた道路沿いのシンボルといえるのが「ブロッサム」こと三井アウトレットパーク大阪鶴見。特徴的な建物ではありますが、今年の3月に移転拡張のため閉館、旅行時は丁度閉店前の売り尽くしセール中でした。

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 そして鴻池新田から近鉄バス15系統に乗車。僕自身そこまでバスには詳しくないのですが、これはまあ、なんの変哲もないバスです。運行本数としては1~2時間に一本と言ったところでした。早い話今回の旅程で一番詰まった場所はここでして、それに合わせてなかもず発時刻も決まりました。

 

④中央線 長田1358→コスモスクエア1428

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 実は意外と本数少ない中央線。近鉄車を2本やり過ごしつつ長田駅前のなか卵で昼飯を取ったのち、1時間半ぶりに再開です。車両は昨年デビューしたばかりの新鋭30000A系32653F、この形式に乗るのは勿論初になります。

 こちらもやはり長田発車時には比較的空いていましたが、森ノ宮〜本町あたりが利用者の中心といった印象。海沿いに近づき乗降客数も減ってきたな、といったところで終点のコスモスクエアに到着します。

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 そして皆様ご存知の通り再来年の大阪万博に際しては中央線が夢洲(仮称)まで延伸されることとなっており、おそらくこの2番線から万博会場に向けて沢山の客を乗せた電車が発車していくことでしょう。

 

南港ポートタウン線 コスモスクエア1432→住之江公園1451

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 南港ポートタウン線、通称ニュートラム。車両は三代目車両の200系201-18F、たまたま席が空いていましたし、特に見たがってる子供もいなかったので、今回は最前席から景色を眺めることとします。

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 新交通にしては珍しい地下駅、住之江公園から一気に地上に上がり高架へ、中ふ頭までは大阪府咲洲庁舎をはじめとする超高層ビルに囲まれますが、そこから先は住宅地や工場、あるいは貯木場といった施設が立ち並ぶ場所を走ります。どちらかと言えば生活路線といった雰囲気ですね。

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 愛称に「ニュー」とついてはいるものの、流石に中ふ頭以南は開業から40年が経ち他の新交通と比べてもちょっと古めかなーという印象は感じました。愛称を変えろとは全くもって思いませんがこれは仕方ないことなんでしょうかね。

 

四つ橋線 住之江公園1501→西梅田1522

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 住之江公園でコンビニに寄ったのち旅を続行することとします。車両は23系23610F、朝に乗車した御堂筋線21系と同じ新20系のリニューアル車ですが、床材が青基調になっているのでだいぶ印象が変わります。個人的にはこっちの方が好きかな?といったところです。

 乗客は起点から終点まで変わらず少し立ち客がいるかな?程度。言うまでもなく御堂筋線の大運転より空いてますし、うまいこと活用したい路線だなぁと思ったり。もっとも、自分の住んでる場所的に結局御堂筋線に乗ることになってしまうのですが。

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 当初は阪神線での移動を考えていましたが、JR経由の方が安く特にダイヤも乱れて無さそうだったので北新地からJR東西線海老江へ。これもまあ地下鉄のようなもん、と言ってしまえばそうかもしれませんがこういうのを含みだしたらキリがないのもまた事実ですね。

 

千日前線 野田阪神1537→南巽1605

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 野田阪神、という特定の企業名に由来する駅名。いや最初に見た時は目を疑いましたが、変に新野田、なんかにするより全然分かりやすいのかなーと思いますが、やはり違和感のある名前。これもいつかは慣れてくるでしょう。もっとも、平成になって開業したJR東西線において直接競合しているライバル企業の宣伝をするのはよろしくなかったようで、こちらは海老江、という名前になったのは致し方ない気もします。

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 大阪メトロの中でも少し目立たない存在であろう千日前線、8両対応の立派な設備に4両編成がのんびり走る姿は少し悲しい気分にもなってしまいます。こちらもやはり新20系に統一されており、25系25616Fに乗車しました。

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 旅客流動としては西長堀あたりまでに座席が埋まりますが難波でその大半が下車、そして同じ人数が難波から乗車し、逆に今里あたりを境にガラガラになりました。

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 南巽到着後、すぐ折り返すかも考えましたが、ここで1本待って一旦地上に出て気分転換することとしました。まあ、特に何かあるわけでもない場所なんですがね、駅前にコンビニがありいかにも大都市近郊といった光景が広がります。これで1本逃しましたが、その次の野田阪神行に乗って今里へと向かいました。

 

今里筋線 今里1634→井高野1657

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 大赤字とか失敗とかあまり良い話を聞かない今里筋線、他8路線はなんらかの理由で数駅だけでも乗車したことがあるのに対し、かくいう私も今回が初乗車となるわけで、なんとなく印象の薄い路線だなぁという感じはあります。ただまあ乗ってみなくちゃ分からない、ということで乗ります。車両は80系8107Fでした。

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 今里を出た時点で車内には1両に10人乗るかどうか程度の乗車率、そして緑橋と蒲生四丁目でかなりの人数が乗車します。そして新森古市や清水で降車がありますが、谷町線からの接続を受ける太子橋今市から一気に多くの客が乗車し、立ち客も出るようになります。しかしその半数ほどは次のだいどう豊里にて下車。結局井高野まで乗車していたのは各車両5人前後といったところでした。

 これを多いと見るか少ないと見るかは各々の見解次第でしょう。確かに他の8路線に比べて乗車率が低いのは事実ですし、新交通システムである日暮里・舎人ライナーより利用者が少ないのもまた事実です。しかし、この人数をバスで運ぶには輸送力不足だよなぁというのも事実。もう10-20年遅ければBRTだかLRTだかというものになっていたかもしれませんがね。

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 井高野から大日への移動手段、これはいろいろ悩みましたが大阪モノレールの南摂津まで3kmほどでしたので歩くこととしました。いやまあ、地下鉄に乗った方が楽なのは百も承知です。だがしかし、既にこの時点で「これ以上地下鉄に乗ってたいか」と聞かれたら既にNOなわけで、少しでも地下鉄から離れて過ごそう、といった感じに頭が動くんですね。その結果40分弱歩くという選択に至りました。そうして本日2回目の大阪モノレール、こちらもまた1駅だけ乗車し大日にて下車しました。

 

谷町線 大日1747→八尾南1840

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 さあついにやってきました、最後の路線。しかしながらこの路線、大阪メトロで最長の距離を誇るんですね。ラストにして最大の難関がやってきました。所要時間53分、北急+御堂筋線よりは確かに短いですが、完全に耐久レースと化した今、鬼門として谷町線がのしかかってるというわけです。車両はまたまた新20系列の22系22663F、旧OTS車でした。

 混雑だとしては関目高殿ぐらいまでに座席が全て埋まる程度、天神橋筋六丁目で1/3ぐらいが入れ替わり、東梅田でも4割方が入れ替わりました。やはり東梅田〜天王寺間では立ち客が出るほどの混雑でしたが、やはり御多分に漏れず天王寺を出ると少しずつ降りて行く感じで、駒川中野ぐらいを境に空席が目立つようにもなります。

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 さて、いよいよここでこの旅のラスト・八尾南に着きます。なかもずを出て9時間45分、ひたすら大阪メトロに乗り続けた1日もついに終わりを迎えることとなります。八尾南限定の到着メロディ・河内音頭が鳴り響く中すっかり暗くなった地上のホームに到着し、これにて137.8km全線完乗しました。

 

おわりに

 結論から申し上げますけど、こんな休日はもう二度と過ごしたくありません。確かに距離的には青春18で静岡耐久する方が長いですし、大阪市+その周辺の市にいるだけなので楽なような気がしてしまいます。しかし、見える景色はひたすらトンネルの外壁のみ。それに1,2分毎になんの変化もない駅に停車し続ける、これを1日続けていれば流石に人間飽きます。自分でも何をやってるのか途中から分からなくなってきました。

 ちなみにですが、天下茶屋新今宮で南海、南巽→今里で大阪シティバスに乗れば全路線に1回だけ乗る、みたいな荒技も可能です。これをされた方は他にもたくさんいますから、気になる方はググってみても良いのではないでしょうか。

 まあ、こんな馬鹿なことを行動に移すことは推奨しませんが、どうしてもやりたいって方にルートの一例として参考になればなー、とも思います。何事も人生は経験あるのみです。

キハ85系でゆく高山本線の旅

 2023年早春、数年来の付き合いのあるS君から突如としてこんな連絡がきました。それは「特急ひだの特急券が余っているので名古屋→富山で乗らないか」というお話。聞けば3月改正で定期運用終了が決まっているキハ85系のグリーン席を購入したのに同行予定だった者の都合が付かなくなり余ってしまった、ということらしいのです。しかも聞けば特急券代をS君が出してくれる、というなんとも美味しいお話でした。いやこんな機会はおそらく二度とないだろう、ということで二つ返事で返答してしまいました。

 今回の旅程としては急遽である上、翌日に大阪に帰っておきたい事情がありましたので午前中に名古屋へ向かい、富山からの帰りは北陸新幹線サンダーバードを乗り継いで帰宅することとしました。

 そして迎えた2月18日土曜日、最寄りの南大阪線某駅から橿原神宮前経由で大和八木へ、八木8:29発の特急ひのとりに乗車して近鉄名古屋へと向かいます。地味にこれがひのとり初乗車。快適、というより安眠仕様すぎて気づいたら爆睡しておりました。6両とはいえ車内は満席でしたから、この列車の人気ぶりがよく分かるでしょう。名古屋市内で昼飯を食べた後、14時前に名駅の改札前にてS君と合流。コンビニに寄ってからホームに向かうこととしました。

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 というわけでやってきました、こちらが本日の主人公(?)ことひだ13号。このSDGsの時代に相応しいとは到底言い難い爆音をたてながら、7両編成のキハ85系名古屋のホームに入線してきます。本日の座席は10号車の1A席。そう、S君が10時打ちで購入したというパノラマグリーン席です。

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 座席は3列シートでリクライニング角も深くフットレスト付き。ウトウトと寝てしまいそうな座席ではありますが、前面展望を楽しむべく寝ないように頑張っていきたいところです。ちなみに車内は鉄道ファンとおぼしき方が大半。春改正後の富山直通は全列車モノクラスとの情報もありますが、こんな具合では仕方ないなぁという感じですね。

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 こうして14時48分に名古屋を発車。配線の関係上岐阜までは座席と反対方向に進むいわば「後面展望」といったところですね。この区間は複線ですれ違う列車も勿論多いので、名古屋方面に向かう列車をたくさん眺めることができました。

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 そして岐阜に15時6分に到着。そそくさと方向転換を行い、停車時間2分ほどで反対向き(というより座席通りの向き)で発車します。ここから高山本線の4時間近い旅がスタートします。

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 高山本線名物といえばこれ。他路線では一線スルーとして行われることの多い高速化ですが、この路線では蘇原など一部を除きこれが行われておらず、その代わりに110km/hでの通過に対応したY字分岐が多用されています。その為駅通過の際に横方向に揺れることが多いのがこの路線の特徴ですね。

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 坂祝ひだ12号行き違いのため運転停車。しかし対向列車が5分遅れとのことで長時間の停車になりました。結局美濃太田には7分遅れで到着しました。特急同士の交換駅では並びを撮影すべく多くの撮り鉄の方で賑わっており、引退するキハ85系への注目度の高さを感じました。

 美濃太田を出ると沿線に民家が少なくなり、一気に人気のない場所へと入っていきます。それにしてもとにかく鉄橋を渡る回数が多いのが高山本線。有名な第一飛騨川橋梁を筆頭に、なんと24回も飛騨川を渡る、という数の暴力を感じます。

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 鷲原信号場ではひだ14号との交換待ちで再び停車。新鋭HC85系との顔合わせとなりました。こちらにも撮り鉄の方が多く集まっているのが印象的でした。

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 少ヶ野信号場ではひだ16・36号との交換。こちらは対向列車が停車していたのでそのまま通過しました。そこから程なくして下呂に到着します。この間わずか1.8kmであり、この規模の路線にしては駅間距離が短い気もしますがこのように活用されている姿を見ると必要なのかなーと思ったり。いや、一番良いのは複線電化なのでしょうが。

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 その下呂を出ると列車はさらに山間に入っていきます。このあたりになると沿線にうっすらと雪が積もっているのが見えるようになります。この日は気温が高く雪にはなりませんでしたが、一気に「山間部」を実感する光景ですね。そしてではひだ18号との交換。こちらは貫通顔先頭のキハ85系での運転、ぶっちゃけこっちの顔の方が好きというのは僕とS君の総意。我々が少数派なのかもしれませんが。この駅では一旦停車後すぐに発車しました。

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 17時16分には3分遅れで高山に到着。ここで後4両(1-4号車)を切り離し3両編成となります。で、ここで興味深いのは高山から乗車の需要が割とあるということです。感覚的に名古屋から徐々に空いていく、といった姿を想像してしまいますが、北陸新幹線の開業によって、高山〜東京の所要時間が名古屋回り・富山回りで大差がないうえ、接続の時間次第では後者の方が速い場合がある、というのです。つい8年前まで北陸へは富山空港小松空港まで飛行機、あるいは越後湯沢で特急「はくたか」に乗り換えて向かうのが定番だったというのに、時代の変化は恐ろしいものです。

 この時間になると日が傾いてくるので写真はこの場所にて断念。一方乗務員さんによるのかもしれませんが、この日は先頭の展望窓は富山到着までカーテンを閉めずに運行してくださいました。

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 映画の聖地として知られる飛騨古川に停車したのち、打保ひだ20号交換のためまた運転停車。こちらはキハ85系による運行でした。この区間は急勾配が続く区間であり、台風被害で3年近く運休していたのも記憶に新しいでしょう。その対策として東海管内においては、落石防止用のフェンスが所々に設置されているのが目立ちます。(上の写真は別の区間です、ご容赦ください)

 18時16分、7分の遅れを取り戻して富山県最初の停車駅、猪谷に到着しました。ここからJR西日本の乗務員に交代となります。S君曰く「猪谷を境に保線の差が歴然となる」とのこと。別に西日本の悪口を長々と言うつもりはないですが、富山県内の赤字ローカル線に過ぎない高山北線は確かに体感的に揺れが多い気がします。

 そして18時54分、定刻通りに富山に到着。実は富山に来るのが10年以上ぶりであり、いつの間にか立派な高架駅が出来上がっていました。反対ホームにはあいの風521系が停車。こちらも国鉄型ばかりのイメージから一気に刷新されたように見えますね。

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 ここで関東在住のS君とは別れ、帰りは富山19:15発のはくたか571号サンダーバード48号を乗り継ぎ帰阪の途につきます。富山滞在時間はわずか21分でした。せめて富山らしいものを、とのことで名物駅弁・ますのすしを購入。常温なので2日後まで持つとのことでしたが、サンダーバードの車内でビール片手に美味しくいただきました。もっとも、ひだ乗車中眠気を堪えていた分途中から爆睡してしまいましたが。

 完全な余談とはなりますが、ダイヤの乱れることが多い湖西線JR京都線が遅れることを考慮し、終電ギリギリにならないよう帰りの列車は選択しました。ところが、時刻通り運行していたJRに対しこの日は珍しく南大阪線のダイヤが乱れており、阿部野橋からの帰宅に想定外の時間がかかってしまいました。世の中思いもしなかったことが起きるものですね。

このブログについて

 どうもこんにちは、むさです。

 突然ですがこの度はてなブログを始めようかな、と思います。厳密に言えば再開なんですが、自分の環境も割と変わったところなのでリスタートといったところで良いでしょう(ええんか?)。いろんな媒体を考えましたがまあ、過去にアイドル絡みでやっていて使い勝手も慣れているし環境的にも悪くないかな?といったところです。

 簡単な自己紹介をしますと、

[HN] むさ

[年齢] 20代前半(21世紀生まれ)

[出身地] 東京都(東急沿線)

[在住地] 大阪府 南河内(近鉄南大阪線沿線)

[趣味] 鉄道・旅行・野球(燕党)・アイドル・相撲 etc.

こんなところでしょうか。このハンネは2017年ぐらいにテキトーに決めたものなんですが、なんだかんだ5年以上使ってるので個人的にかなり愛着があります。本名にカスってもいない名前なのに、実際にオタクにもアイドルにもこの名前で呼ばれてるので単純接触効果みてえなものが生まれたのでしょう。しかしこれ、由来は?とよく聞かれるんですが実は覚えていません。場当たり次第にいろんな返しをしてきたのですが、どれが正しいのやらといった感じですね。

 ここからは自分の近況について。実は最近生まれ育った東急沿線の実家を離れ、人生初の一人暮らしを始めました。場所は大阪・近鉄南大阪線の沿線です。いやまあなんと言いますか、ぶっちゃけまだ慣れません。人生でほとんど乗ったことがなく趣味としても見る機会がなかった路線に突然住む、となっても勝手がまず分からないしまだ右往左往する日々が続いています。でまあ、そのような日常の中で思ったこととか行った場所とかを記録する場としてブログを始めてみようかな?といったところです。いつかは飽きると思いますが飽きたらごめんなさい。

 基本的には旅行記系が中心かな?といったところですが、オールジャンルでいろんなことを書けたらいいなーとも思っております。ツラツラと自分語りしているだけにはなると思いますが、温かい目で見守って頂ければ幸いです。では。