むさ日記(仮)

基本的には大学生の自分語りです。

#むさ夏北海道2024 4日目【キハ261でゆく宗谷岬】

2024/8/29(木)旅程

栄町→さっぽろ/札幌→稚内旭川


 この日は乗車列車が3本と少なかったものの、移動距離は650km以上になる、という一日であった。なにせ日本最北端・稚内へと向かったというそれだけの話であるが、この日は列車の乗車時間が長く極端に写真が少なくなったことを予め断っておく。

 

 前日宿泊した栄町を朝のうちに後にし、さっぽろまで東豊線に乗車する。車内部活の朝練に行くであろうジャージ姿の高校生の姿が目立つ。北海道の夏休みは短いというのはよく知られた話であるが、この姿を見ていると遊んでいる自分自身が申し訳ない気分になってしまう。

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 朝食を食べた後札幌の改札に入りホームに向かうと、キハ261系0番台が4両編成で既に待機していた。昨日新琴似駅にて指定席を引き換えていたこともあり、自由席に並ぶことなく2号車の座席へと腰掛ける。登場から四半世紀近く経つこの車両であるが、車内は綺麗に整備されており特に古さを感じることはなかった。

 札幌を定刻通り7時30分に発車。指定席の乗車率は60%と言ったところだろうか。見た感じ観光客といった雰囲気の方が多いがビジネス客らしき姿も見える。一方乗車前に確認したところ自由席には立ち客もいるようである。自由席需要も大きい札幌〜旭川間を走行する以上1両の自由席ではやや輸送力不足と言ったところだろうか。

 旭川までの区間函館本線を走行する。線形もよくスピードも出やすい区間であるが、正直に申し上げると私はこの区間において爆睡してしまい、気がついたら旭川の手前であった。もし途中駅で降りようとしていたのであれば一大事であったが、いくら寝ても問題ないというのは長距離乗車のメリットかもしれない。

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 8時58分旭川着。函館本線はここで終わりであり、指定席からも7,8人の方が下車された一方5,6人ほどの方が乗車され、9時丁度に発車した。ここから先の宗谷本線は未だ足を踏み入れたことのない土地であり、より一層乗る側としても熱が入る。

 とは言ったものの、宗谷本線に入っても直線的な線路を高速で走行するのは変わらない。強いて言えば架線がなくなり単線だ、というところだろうか。宗谷本線の名寄以南は高速化工事が実施された区間であり、この特急宗谷号は76.2kmを54分で走破し、表定速度は86.7km/hにも達する。この列車の旭川以北の93.3km/hにこそ及ばないが、立派な走りと言っても構わないだろう。

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 それが一変するのは名寄を発車してからである。以前特急ひだ号に乗車した際「猪谷を境に乗り心地が変わる」という話を書いたことがあったが、この宗谷本線においても名寄を境に変わると言っても過言ではないのである。最高速度も95km/hに制限され、カーブも多くなる。それでいて人里離れた山の中をひたすら走行していく。

 しかしながら指定席の乗客は殆ど減ることがない。名寄で数人の入れ替えがあったのみで他の駅ではせいぜい1,2人が降りるかといったところ。要するに大半の指定席利用者が札幌〜稚内の全線を通して乗車していたということである。

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 北緯45度線を越え豊富を過ぎると、さらに景色は変化する。車窓いっぱいに原野が広がり、その奥には風力発電の風車が見える。丁度北海道でロケされた欅坂46の名曲「世界には愛しかない」のMVに出てくる世界と言えば伝わるだろうか。

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 そして12時42分に終点・稚内に到着。札幌から5時間12分、リクライニングシートのおかげもあり(比較対象が飯田線ということもあるだろうが)そこまで疲れずに過ごすことができた。

 さて、せっかく稚内に来たことなので、北方領土を除く日本最北端・宗谷岬を訪れようと思う。駅に直結する稚内駅前ターミナルにてで宗谷岬まで宗谷バスの往復乗車券を購入したのち、13時30分発の浜頓別行に乗車した。乗車したのは50人ほど。バスで宗谷岬まで往復できる便は1日実質2本のみ、そして札幌からの特急に接続できる便はこの1本のみであることから集中してしまうのは仕方ないだろう。

 稚内高校に近い潮見1丁目バス停からは帰宅中の高校生が乗車。旅行客と学生が交わるこの季節は大変だろうな、と考えてしまうがなんとか乗車完了。幸いにも道路は非常に空いておりほぼ定刻通り50分ほどで宗谷岬に到着した。

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 本土最北端の地・宗谷岬。話に聞いていた通り稚内の市街地からはかなりの距離があったが、流石北の果てといったところ、景色は悪くなくここまで来る価値はあると感じられた。ちなみに晴れた日は見れることも、と書いてあった樺太は望むことができなかった。 

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 隣接していた「流氷館」を見学(寒すぎて3秒で出た)し周辺を散歩したのち、帰りもやはり宗谷バスに乗車し稚内駅へと戻る。先ほど来た観光客がみな稚内方面へ戻ることからこの便も大混雑、なんとか椅子に座ることができたのでよしとでもしようか。

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 稚内駅に戻ってきてまだ少し時間があったことから、少し歩いて北防波堤ドームを見学。歴史的価値のある建造物として訪れたものの、地元の子供達が楽しそうに遊んでいたのが印象的であった。

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 さて、翌日以降の移動に備え今日は旭川まで戻るとする。稚内17時44分発の宗谷号の自由席に乗車、キハ261形5000番台・はまなす編成での運行と時刻表に記載されていたものの、突発的な運用変更があったようで往路と同じ0番台に乗車することに。

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 発車直後には利尻富士と夕焼けを望むことができたが程なくして暗くなり、旭川まで暗闇の中をひたすら走り続ける。

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 旭川には21時26分着。旭川への前回訪問は15年前、まだ地上駅舎に発着していた頃であった。その時に比べ駅周辺は綺麗になり、ピカピカのイオンモールまで完成していたことには驚かされてしまった。もっとも、地上時代と番線の振り方が逆になったことで戸惑ってしまったのも事実であるが。

 ここから道北バスにて宿泊先となるネットカフェへと向かった。ちなみに乗車したのは元東急バスの車両であり、東急沿線で生まれ育った私には懐かしく感じた。